Q&A

解雇・退職後の失業保険・雇用保険給付について、よく寄せられる疑問に編集部がお答えします。元厚生労働省(職業安定局)出身メンバーの実務知識をもとに、行政の審査基準を踏まえた解説を心がけています。

解雇・会社都合退職と失業保険

解雇・会社都合退職後の失業保険について、特に多い疑問にお答えします。

解雇された場合、失業保険はいつから受け取れますか?

会社都合退職(解雇・整理解雇・倒産など)の場合、ハローワークへの申請後、待期期間7日間を経過すれば受給できます。自己都合退職と異なり、2〜3ヶ月の給付制限がつかないのが最大のメリットです。ただし、以下の手続きが必要です。①会社から離職票を受け取る②住所地のハローワークで求職申込・離職票を提出する③7日間の待期期間を経て初回認定日を迎える。離職票が届くまでに時間がかかる場合は、ハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書」を持参することで手続きを開始できます。

整理解雇と普通解雇で、失業保険の扱いは変わりますか?

給付制限なし・会社都合扱いという点では同じです。どちらも「特定受給資格者」に該当し、給付日数も同じ区分で算定されます。ただし整理解雇の場合、解雇の4要件(人員削減の必要性・解雇回避努力・人選の合理性・手続きの妥当性)を満たしていないケースでは、不当解雇として争える可能性があります。失業保険の受給と並行して、弁護士や労働局の総合労働相談コーナーへの相談も検討してください。

離職票の退職理由が「自己都合」になっていました。実際は解雇なのに、どうすればいいですか?

ハローワークに異議を申し立てることができます。離職票の「離職理由」欄に異議がある場合は、ハローワークの窓口で「離職理由の変更申請」を行ってください。会社側の記載が事実と異なる場合、ハローワークが会社に事実確認を行い、認定理由を変更することがあります。証拠として、解雇通知書・メール・録音・給与明細などを持参すると申し立てが通りやすくなります。退職理由が変更されれば、給付制限なしで失業保険を受給できます。

解雇予告手当と失業保険は、両方もらえますか?

両方受け取れます。解雇予告手当は、30日前の予告なしに即日解雇された場合に会社が支払う義務がある賃金(労働基準法第20条)であり、失業保険とは別の制度です。ただし、解雇予告手当を受け取った場合、その日数分だけ失業保険の受給開始が遅れる可能性があります。具体的には、解雇予告手当が「30日分以上」の場合、30日分を超えた日数分だけ待期後の受給開始日がずれることがあります。詳細はハローワークの窓口でご確認ください。

特定受給資格者・特定理由離職者

給付制限なし・給付日数の優遇につながる「特定受給資格者」「特定理由離職者」の認定基準について解説します。

特定受給資格者と一般受給資格者の違いを教えてください。

最大の違いは「給付制限の有無」と「給付日数」です。特定受給資格者は解雇・倒産など会社側の事情による離職者で、①給付制限なし(申請後7日の待期のみ)②給付日数が一般の1.5〜2倍(最大330日)という優遇があります。一般受給資格者(自己都合退職)は①2026年現在、給付制限は原則1ヶ月(2025年4月改正で短縮)②給付日数は最大150日です。自分がどちらに該当するかは、離職票の「離職理由コード」で確認できます。コードが「11〜23」なら特定受給資格者、「31〜34」なら特定理由離職者です。

残業代の未払いや長時間労働が原因で退職した場合、特定理由離職者になれますか?

なれる可能性があります。以下のいずれかに該当する場合、自己都合退職でも「特定理由離職者」として給付制限なしで受給できます。①離職の直前3ヶ月間に連続して45時間、1ヶ月で100時間、または2〜6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働があった場合②賃金(残業代を含む)が当初の契約より85%未満に低下した場合③ハラスメントにより就業が困難になった場合。証拠として、タイムカード・給与明細・労働契約書などを用意し、ハローワークの窓口で申し出てください。会社が残業代を支払っていなかった場合も同様に申告できます。

特定受給資格者に認定されると、給付日数はどれくらい変わりますか?

年齢と被保険者期間によって大きく変わります。たとえば45歳以上60歳未満・被保険者期間20年以上の場合、一般受給資格者では150日のところ、特定受給資格者では330日と2倍以上になります。30歳以上35歳未満・被保険者期間5年以上10年未満の場合も、90日から240日へと大幅に増えます。給付日数が増えるほど総受給額も増加するため、退職理由の正確な記載は非常に重要です。自分の区分が不明な場合は、ハローワークの窓口で確認してください。

受給額・給付日数の計算

失業保険の金額・日数の計算方法についてお答えします。

失業保険の受給額はどうやって計算しますか?

受給額は「基本手当日額×給付日数」で計算します。基本手当日額は、退職前6ヶ月の賃金合計÷180日で算出した「賃金日額」に、給付率(50〜80%)を掛けたものです。給付率は賃金が低いほど高く設定されており、低賃金の方ほど手厚い保障を受けられる仕組みです。2026年現在の基本手当日額の上限は、60歳未満で8,490円(年齢区分により異なります)。

在職中に残業が多かった場合、残業代は受給額の計算に含まれますか?

含まれます。賃金日額の計算に使う「退職前6ヶ月の賃金合計」には、基本給だけでなく残業代・通勤手当・各種手当も含まれます(ただし3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賞与は除く)。残業が多い月の賃金が反映されるため、残業代が多かった方は受給額が高くなる傾向があります。逆に、会社が残業代を未払いのまま計算すると受給額が不当に低くなるため、未払い残業代がある場合は退職前に請求しておくことが重要です。

アルバイトをしながら失業保険を受給することはできますか?

条件付きで可能です。認定日ごとにアルバイトの就労状況を正直に申告する必要があります。申告を怠ると不正受給とみなされ、受給した金額の最大3倍を返還しなければなりません。就労した日は「就労日」として基本手当が支給されない代わりに、後日「繰り越し」として給付されます。ただし、週20時間以上・31日以上の継続雇用が見込まれる状態になると「就職」とみなされ、受給が打ち切られます。アルバイトの内容・時間によって扱いが変わるため、必ずハローワークの窓口に相談してから始めてください。

申請サポートサービスについて

退職給付金の申請サポートサービスの利用に関するよくある疑問にお答えします。

申請サポートサービスを使うと、不正受給になりますか?

正規の申請を正しく行うためのサポートであれば、不正受給にはなりません。失業保険の不正受給とは「就職したのに失業状態と偽る」「アルバイト収入を申告しない」などの虚偽申告です。申請サポートサービスは、受給資格の確認・書類準備のアドバイス・手続きの流れの説明を行うものであり、適法な申請を支援するものです。ただし、国民生活センターが注意喚起しているように、不正受給を誘導する悪質な業者も存在します。サービス選びには十分注意してください。

申請サポートサービスの費用相場はどれくらいですか?

多くのサービスは成功報酬型で、受給総額の10〜20%程度が相場です。たとえば総受給額が100万円の場合、手数料は10〜20万円となります。なかには「完全成功報酬」として受給できなければ無料というサービスもあります。利用前に「手数料の計算方法」「返金保証の条件」「途中解約の場合の扱い」を必ず書面で確認してください。口頭説明だけで契約するのは避けましょう。

おすすめの申請サポートサービスはどこですか?

当サイトの編集部が実際に評価した結果は、申請サポートサービス比較ランキングにまとめています。運営透明性・料金の明確さ・専門家の関与・サポート品質・口コミの5項目で評価しています。いずれのサービスも、まず無料相談で疑問を解消してから契約するようにしてください。

※ 当ページの情報は編集部の専門知識にもとづいて作成していますが、個別の事案に対する法的助言ではありません。失業保険の受給条件・給付額は個人の状況によって異なります。具体的な手続きはハローワークまたは社会保険労務士にご相談ください。制度内容は法改正により変更される場合があります。最新情報は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。